「盛岡三大麺」とは、岩手県の県庁所在地・盛岡に根付く独自の麺文化「盛岡わんこそば」「盛岡冷麺」「盛岡じゃじゃ麺」のこと。盛岡人のソウルフードとも呼べるローカルグルメです。市内には地元民御用達のお店が点在。それぞれに個性があるので、食べ歩いて好みの味を見つけるのも楽しいですよ。盛岡を訪れたら、ぜひコンプリートしてみてください。
1950年代、朝鮮半島北部出身の青木輝人さん(「食道園」創業者)が、故郷の味を思い出し作ったのが始まりとされる「盛岡冷麺」。小麦粉と馬鈴薯でん粉によるコシの強い麺と、牛骨などでダシをとったコクと酸味のあるスープが相性抜群で、キムチを加えるとまた違った味わいに。「一度食べたらクセになる」と今や全国区の人気を誇ります。主に焼肉店で提供されていますが「肉より冷麺がメイン」で食べに行く、という地元民も少なくありません。
宴の席で大勢のお客様をもてなすために考えられたと伝わる「わんこそば」。一口大に小分けしたお蕎麦を、色々な薬味と共に味わいます。「もう食べられない」と思ったら、お給仕さんがそばを入れるよりも早く蓋をするのが基本的なルール。15杯前後で通常のもりそば一杯分に相当し、100杯超えると記念手形をもらえるお店もあります。お給仕さんとの掛け合いを楽しみながら、岩手ならではのおもてなしを体験してみてください。
中国東北部の麺料理を参考に、高階貫勝さん(「白龍」創業者)が屋台で売り出したのが始まり。平打ちの太麺にたっぷりの肉味噌とキュウリ、ネギがのっていて、これをよく混ぜ合わせて食べます。お好みで酢やラー油、にんにくを加え「マイオリジナル」の味付けにするのが通な食べ方。最後に麺と具を少し残し、卵を割り入れて「ちーたんたん」と注文を。やり方がわからなくても大丈夫。お店や周りの人が気さくに教えてくれます。
冷麺は、キムチ別添えの「別辛」で頼むのがおすすめ!
最初はキムチ無しで、それから少しずつ加えて、味の変化も楽しんでください。
「最初はピンとこなくても、三回食べるとハマる」と言われるじゃじゃ麺。「どこの店がおいしいか」で議論になるほど、地元民はじゃじゃ麺を愛しています!
給仕さんが付き、一杯食べるごとにお椀が積み重なる「わんこそば」。やぶ屋では「ハイ、じゃんじゃん」等の掛け声はありません。お殿様への「おもてなし料理」だったという本来のスタイルで提供しているので、自分のペースでわんこそばを楽しめます。通常メニューのと同じそばを使用しているので、おいしさも折り紙つき。一人前から体験可能です。
「明明家」の冷麺は、自社製麺所で作る中太麺。コシが強く、もちもちとした食感が特徴です。丸一日じっくりだしをとった牛骨スープは、甘さを重視した味付けで酸味のあるカクテキと相性抜群。6段階から好みの辛さを選べます。また、ミニ冷麺と丼のセットや、本場ピョンヤンキムチを使った「キムチ温麺」も人気。もちろん、焼肉も楽しめます。
麺は専用の粉を使用し店内で練り上げ、注文が入る度に製麺。いつでもモチモチと歯切れのいい食感を味わえるよう、季節ごとに水分量を調整しています。スープは牛骨や鶏ガラをじっくりていねいに炊いたあと、1日休ませたものを使用。とても濃厚で、麺に負けない存在感です。大同苑名物のネギタン塩等の焼き物も、厨房で焼き上げ提供しています。
一番人気は「盛岡冷麺」。自社製麺所で作る中太麺は、コシが強くもちもちとした食感が特徴。一日じっくりダシをとった牛骨スープは甘みがあり、酸味のあるキムチと相性抜群です。そのほか、本場ピョンヤンキムチを使った「キムチ温麺」もファンが多い一品。店内には小あがりスペースもあり、子どもと一緒でもゆっくりできます。
じゃじゃ麺食べるならまずはここから! 盛岡じゃじゃ麺の元祖「白龍(パイロン)」のフェザン店。創業者の家族だけが作り方を知っている秘伝の肉味噌は、元祖ならではの味わい。にんにくやラー油、お酢などの調味料を好みで加え「自分だけの味」を作るのが醍醐味。食べ終わったら卵スープ「ちーたんたん」もお忘れなく!
じゃじゃ麺の特徴的な平打ち麺を、鶏ガラと魚介でダシをとったスープでいただく一品。スッキリした塩味のスープにモチモチの麺がよく合い、沖縄の「ソーキそば」にも似た、うまみたっぷりの汁麺です。「じゃじゃ味噌」などを好みで加えてもおいしいですよ。