鉄瓶や急須、鉄鍋、風鈴などさまざまな製品が作られている「南部鉄器」。鋳鉄には遠赤外線効果があるほか、鉄瓶で湯を沸かしたり鉄鍋で調理をすると鉄分補給ができることから「憧れの調理器具」として注目を集めています。また、カラフルに着色したティーポット(急須)は、若い世代や海外で人気。鉄分は採れませんが丈夫で冷めにくいなどの利点があります。

ふたつの産地・それぞれのルーツ

岩手県の盛岡市、奥州市でつくられている「南部鉄器」。そのルーツはそれぞれ異なり、盛岡では江戸時代中期、南部藩主が京都から釜師や鋳物師を招いて茶の湯釜をつくらせたのがはじまりと言われています。一方奥州では、平安時代後期に奥州藤原氏が近江国(現在の滋賀県)から鋳物師を招き、仏具や鉄鍋釜をつくらせたのがはじまり。1959年に両産地の鉄器の名称を「南部鉄器」に統一し、1975年には伝統工芸品として国の指定を受けました。

地元民の声

最近、憧れの南部鉄瓶を買いました。鉄瓶で沸かしたお湯は柔らかくまろやか。お茶やコーヒーがよりおいしく感じられます。

南部鉄器は高価なイメージがありますが、急須は割とお手頃価格。カラフルなのもあってかわいいし「壊れにくい」「熱が冷めにくい」ことから、結婚祝いに人気だとか?

森のてつびん屋 南部鉄瓶 各種(37,950円~)

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本館1F

岩手山の裾野に広がる雫石町に工房を構え、南部鉄器の制作をしている「森のてつびん屋」。 「見て楽しい、使って楽しい鉄瓶」をテーマに、従来の型にはまらない自由な発想で一点一点制作された鉄瓶たちは、どこかユーモアがあり、味わい深い佇まい。他の鉄瓶に比べて軽く仕上げているので、日常の中で使いやすいというのも魅力です。

岩鋳 南部鉄器急須5型アラレ(10,450円)

KANEIRI STANDARD STORE

本館1F

伝統工芸品としての命を守りながらも常に生活の中で息づき、愛用される南部鉄器を手がける「岩鋳」。海外でも人気が高い急須は、鋳肌が際立つ重厚な伝統色から、カラフルなものまでバリエーション豊富。南部鉄器特有の風合いが出るように表面を仕上げ、日々使っていくうちに表情が変わり、味わいが出てくるのも魅力のひとつです。