英語で「japan」と訳される漆は、日本文化の象徴。岩手は国内生産量の7割近くを占める漆の一大産地で、そのほぼ全てを担う二戸市浄法寺の「浄法寺塗」をはじめ、漆器の産地が点在しています。軽くて保温性が高く、口当たりの柔らかい漆器は意外とお手入れが簡単。使うほどに艶が出て愛着が増しますし、修理もできるので、一生のお付き合いができますよ。
塗料や接着剤として優れた特性を持つ漆。特に高品質の二戸市浄法寺産漆は、世界遺産にも登録されている中尊寺金色堂、鹿苑寺金閣、日光東照宮などの保存修理にも用いられています。縄文時代の遺跡から漆で彩色した石刀や土器が出土するなど、古来から人々と関わりが深い漆には、時代を超えて愛され続けるエターナルな魅力があります。日々の暮らしに、漆器を取り入れてみませんか?
漆器を使っていて「やっぱりいいな」と思うのは、手に持ったとき、唇が触れたときの優しい感触。だんだん艶が増して「育てている」感じも大好きです。
産地や職人の作風によって、色味や質感、装飾が違うのも漆器の魅力。新品を育てる楽しさもありますが、趣のあるアンティークとの出会いもワクワクします。
岩手県八幡平市で、岩手県産の浄法寺漆を使った温故知新の漆器を制作。第1回工芸都市高岡クラフトコンペグランプリ受賞。第59回日本伝統工芸展入選など、数々の賞を受賞していますほか、フィンランドでも作品展を開催。ずっと愛用できるよう木地を選び、漆を塗り重ね、高い強度に仕上げた器は、使うほどに艶が増し、愛着も増していきます。